2011年03月21日

【報道にないコト】被災地での火葬・埋葬

岩手では、津波で亡くなったと思われる方の遺体の身元を確認できないまま、土中に埋葬することを決めた自治体が出ている。遺体の損傷が激しく、限界が来ているため。DNAを抽出して保存する、あるいは写真を残すなどして遺族への照会をしていくようだ。

阪神淡路大震災の時もそうだったが、遺体の検視、身元確認は福祉事務所の職員をはじめとした行政職員、警察官、医師などぼうだいな数のマンパワーが必要とされる。そのため、被災地で他に必要とされることに手がまわらない。遺体安置所には行政職員が24時間体制で待機し、遺族への対応を行っている。「行政は何をやっている」と罵声をあびせられることもしばしば。

このたびの震災では、犠牲者の数と被災地の状況は阪神淡路と比べ物にならない。火葬する燃料がない、あるいは火葬場自体が倒壊しているなど、困難を極めている状況が想像できる。報道には出ないが、他地域で火葬するにも地理的要因や燃料、遺族立ち会いなど非常に難しい状況であることは間違いない。

遺族は、目の前で遺体が朽ちていく状況に、精神的に耐えることは不可能だ。きちんと火葬・埋葬されてこそ、遺族は自分の気持ちや震災に対するある程度の心の整理がつく。行政も、亡くなった人と遺族の尊厳を守ることに懸命に取り組んでいるはず。遺族と行政の心のケアは絶対に必要だ。


【稲垣】



Posted by ボララボ at 12:12│Comments(0)
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。